吐き気の酷かったあの頃
病気の話題があったので、思い返してみました。
似たような話を既にしているとは思いますが多めにみてくれるとありがたいです。
吐き気がすべての始まりだった。
動くと気持ちが悪いので、電車の移動では座ることも嫌だった。
車で送ろうか?と言われても吐く気しかしなくて遠慮した。
遠出は苦行だ。
カラオケにも行けず、遊園地のアトラクションに乗れる余裕もあるはずがなく。
楽しみのほどんどを奪われた。
寝ている間の夢の中だけが安らげた。
吐き気が酷いときは少食になり、胃酸が増量でそれはもう生き地獄だった。
食べても気持ち悪いのに、空腹になっても気持ち悪い。気持ち悪い原因がどっちなのかがわからなくて怖かった。
空腹のままだと死にそうになるので、なるべく軽食を常備し、持ち歩きもしていたものだ。
胃酸を抑えるために、油ものなどは控えるようになって大根おろしが役立った。
大根飴とかとにかく体に良いものを探したものである。
空腹の胃に胃酸がダメージを与えてくるので、牛乳をよく飲んでみたりした。
腹がすいても喉が拒絶する。咳き込む。吐き気がする。タンが出る。吐き気を誤魔化すためにも咳をする。
食欲がないのに食べるしかなかったのは、拒食症を防ぐためだった。
少食でも満腹気分にするために、よく噛み、よく噛むために小さなスプーンにしたり、小まめに切ったり。時間をかけたり。
咳き込んだりしながらも食卓にいるためにと、ティッシュを常備するようにもした。
吐き気があるのに外食ともなれば、普段は食べないパフェやアイスで空腹をしのいだ。
吐き気があると臭いだけで吐き気が酷くなる。
食料店に近寄れなくなった。
交通道路の排気ガスにも敏感になって、出歩くのも泣きたくなるほどの苦痛だった。
車に乗る時は酔いも酷くなるので、新鮮な空気を得るために窓の風をうけながら呼吸に集中している日々である。車内は排気ガスさえ酷くなければなんとか生きていられる環境だ。
吐き気で喋ることさえ難しくなった。
酸欠やらで動きにくい体で、精一杯のジェスチャーをすることが増えた。
胃酸がのぼる感覚。
寝るときは必ず上半身を起こすことで胃酸を上らせず、呼吸気管を確保する。
横になった途端に、具合が一気に悪くなった。
死ぬかと思った。
死にそうだった。
少食であるがゆえに、断食ぎみでもあったがゆえに。
吐き気があっても、胃は空っぽだ。
救いようがないのを思い知った。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。